WAIFCは、金融センター間での協力、ベストプラクティスの交換、一般の人々とのコミュニケーションを促進しています。
略歴
2018年7月、世界の金融業界を牽引するリーダーがパリに会し、新しい戦略的イニシアチブである World Alliance of International Financial Centers (WAIFC) を発表しました。
WAIFCはベルギー、ブリュッセルにて登記された非営利団体であり、世界有数の国際金融センターを代表し、協力とベストプラクティスの交換を促進しています。
WAIFCは、金融センターの開発と促進に従事する、地方自治体、協会、その他同様の機関で構成されています。2018年にアブダビ、ブリュッセル、釜山、カサブランカ、フランクフルト、ルクセンブルグ、モスクワ、マスカット、ヌルスルタン、パリ、トロントの創設者が同盟を結成して以来、ドーハ、香港、ロンドン、モーリシャス、シュトゥットガルト、東京から新たな代表者が加わっています。
WAIFCはプロジェクト主導での活動を続けています。最初のプロジェクトでは、金融テクノロジー、グリーン投資とインフラストラクチャ、金融センターデータベースの作成、中小企業への資金提供、そしてともすると最も重要な、金融センターとしての経済への資金供給など、さまざまな分野が網羅されました。
目的
WAIFCは世界規模で国際金融センターの振興を行なっていますが、ロビー活動には従事していません。
WAIFCは、ベストプラクティスの共有と共同コミュニケーションを支援し、コンサルティング会社、大学、研究機関などの知識パートナーと密に連携しています。
法人としてのWAIFCの主な仕事は、WAIFCのプロジェクトとイニシアチブの調整を行うこと。WAIFCはプロジェクト主導型であり、各プロジェクトは1つまたは複数の金融センターにより後援されます。WAIFCとスポンサーにとっての価値は、これらのプロジェクトの成功にあります。
金融センターの役割
世界中の多くの国が、1つまたは複数の金融センターを中心として、金融業界を発展させています。金融センターとは、いわば、投資家や企業による蓄財の管理を支援し、起業家の取るリスクに対し資金を供することから、持続可能な環境における経済成長を促進するサービスインフラストラクチャです。
このサービスセンターは、技術面での要件（物理的インフラストラクチャ、法律、税および規制枠組み、人材）と事業面での要件（リテールバンキング、コーポレートバンキング、資本市場、資産管理/ウェルスマネージメント、保険、コンサルティング、税/法的助言、インフラストラクチャといった、補完的な事業分野におけるクリティカルマスの結びつけ）の調和により成り立ちます。これら全てが、多かれ少なかれ専門化され、国や地域、または世界規模での目標に対応するさまざまなサイズのエコシステムを創出します。
金融センターは共通して、利用者に必要とされる最高の金融サービスと資金調達手段を提供するものです。
今日、世界の金融業界は、その価値創造、リスク、そして成長への貢献において、挑戦を迫られています。つまり、仲介の連鎖（サービス対製品）がもたらす複雑さ、そして、理解の欠如にいかに対処するのか。また、新しく導入された厳しい規制枠組み、グローバリゼーション、新規テクノロジーによって、経済的バランスとビジネスモデルが大幅に変容している点も課題でしょう。
金融センターは、そのような状況下で、包括的な役割を果たします。一方で、各地の主体（国や地域の中核にある土地に根付いた存在）が、上述の課題に立ち向かう上で、特定の役割を担います。
目的と使命
グローバルレベルでは、最高の金融慣行を普及させ、文化的および運用上の多様性を尊重する方法で、エンドユーザーに可能な限り近い金融機能とサービスを提供する金融センターのネットワークを地球全体に行き渡らせることが不可欠です。この使命は、互換性のあるルールの枠内で達成される必要があります。
ネットワークの一部である金融センターはそれぞれ、規模や活動の範囲いう意味で、同一にはなり得ません。そうであっても、一方で、集団および個人の効率性を引き出すためには、ある程度の相互交流が効果を発揮するでしょう。 したがって、そのような意味で、ある程度の競争が行われます。
WAIFCは、この相互交流のあり方を整理し、協力、ベストプラクティスの交換、および企業─投資家の中間に立つ金融業界が経済成長に直接貢献を
できるのかについてのコミュニケーションを促進することを目的としています。